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日本周遊紀行(14)蒲原・由比 「由比正雪」
安藤広重の東海道五十三次画から「蒲原・夜之雪」
国道1号線へ出て、富士川の長い鉄橋を渡ると間もなく蒲原で、東海道五十三次の蒲原宿である。
「安藤広重」が、とある一行に加わり、東海道を京まで旅行したときに描いたのが「東海道五十三次画」であるのは承知だが、中でも傑作なのが雪の蒲原宿を描いた「蒲原・夜之雪」と言われる。
広重はこの絵を契機に風景画の第一人者としての出世するのだが。
ただこの絵の不思議なところは広重が京に向かうのは夏季であり、ましてこの地方は温暖で冬でもめったに雪は降らないし、余り見かけない、 その蒲原が何故雪景色なのか・・?。
未だこの謎、疑問はまだ解かれていないとか・・!。
きっと広重は当地で「北国の冬景色の夢でも見たのだろうか・・??」
次の「由比」は賑やかなところである。
はじめ国道1号線は太平洋の雄美な海岸線を走っていたが、東名高速と交差する辺りから、今度は東名が海上をゆくようになる。
そのすぐ横を国道1号線、さらに東海道線、そして地方道、この間に住地が密集している。 おまけに東海道新幹線が山の端から顔を出しているのである。
山腹が海岸近くまで迫り出しているため、こんな風景を形造っているのだろう、時折、ポスターなどにも描かれているようだが、国内でも珍しい処だろう。
由比は、チョッと騒々しく賑やかなところである。
江戸初期の慶安期、徳川幕府を批判しクーデターを計った事件が発生する。 世に慶安事件という。
事件の首謀者は「由比正雪」。 由比町の紺屋・染物屋の出身である。
江戸初期の頃の幕府の政策は、所謂、武断政治(武力を以って行なう強圧的な政治)が強行されていた。
問題を起こした諸大名はお家断絶や取潰しも珍しくなく、浪人が発生する要因にもなっていた。
江戸で軍学塾を営んでいた由井正雪は浪人に人気があり、幕府の強圧政治に不満を持つ彼や浪人衆は、三代将軍・家光の死を機会に江戸、駿府、大坂、京で決起挙兵をもくろむ、現在で言うクーデターであろう。
しかし、計画は事前に漏れ発覚、同腹の丸橋忠弥が逮捕されて死刑になると、発覚を恐れた由井正雪は駿府で自害してしまう。 クーデターは失敗に終わったのである。
この時代、幕府の強圧政策や浪人圧迫に対する反撥で、江戸庶民の間にも関心を呼び、「慶安太平記」などの芝居となったり、講談にて語られた。 近代では浄瑠璃・歌舞伎にも演じられているようである。
この事件が契機で、幕府の武断政策は文教政治の方向(儒学者の新井白石などを登用する)へと転化されるに至ったという。
(平成17年:2007年5月23日訪問)
【 閑話休題 】
走行中、或るニュースを耳にした。
「北海道の稚内で今日、日本列島最後の桜が開花した」という、時に本日は5月23日(2005年)である。
今年の桜前線は1月15日に沖縄の石垣島でヒカンザクラが咲いてスタートし、4カ月少々かけ北上して稚内に最終ゴールしたことになる。
序ながら、桜の開花に関する事について・・、
桜花が開花する時は「開花予想」と「開花宣言」という呼称があるという。
開花予想については、現在は気象庁のコンピューターで計算している。 まず、花芽が休眠から目覚める日を「起算日」(事柄を計算する時の初日、桜花開花の場合、気象庁が管轄する部署で花芽を見て起算日を決める)とする。
一般に、花芽が目覚めてから平均気温15度の日が21日分あれば、開花の準備が整うといわれる。 開花宣言は、観測地点ごとに定めた「標本木」の開花状況を見て出される。 各地区によって標本木の本数と桜の品種によって決められている。
因みに東京地方の開花と満開の定義での対象樹は「ソメイヨシノ」で、靖国神社の開花基準木(標本木)三本中二本の木でそれぞれ5~6輪の花が開いた状態を東京地方の「開花」と言い、また、「満開」とは、同じ開花基準木(標本木)三本中二本の木で花が80%以上咲いた状態を東京地方の「満開」と言うらしい。
標本木は、日当たりのいい平地に生育するものを複数本選び、各管区気象台技術部観測課の職員が予想開花日の一週間ほど前から毎日観測箇所に行き、観測は肉眼で数輪咲けば開花、80%以上咲けば満開と称しているという。
次回は、清水・「清水の次郎長」
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