日本周遊紀行(129)東京 「江戸城界隈」
靖国神社・拝殿
江戸城界隈の代表は「靖国神社」・・?、
明治維新を期に、皇室が京都御所から江戸城に転居し、以後は江戸城中心部の西側が皇居となっている。
通常は皇居部分(西の丸と吹上御所)には入れないが、その東側にある本丸・二の丸と三の丸の一部は皇居東御苑として開放されている。
南側の皇居外苑と北側の北の丸公園(日本武道館)は常時開放され、それらの外側は一般に利用できる土地になっている。
先にも記したが「紀尾井町」とは・・、
この江戸城・赤坂見附の北側に「紀尾井町」という、何やら意味深の地名がある。
現在、東京、日本国の中枢でもある官庁街、議事堂などの近くで、ホテル・ニューオータニ、赤坂プリンスなど日本を代表するホテル群が建ち並ぶこの一帯は、130年前の江戸時代には徳川御三家の「紀州家」、「尾張家」そして、幕末の大老家である「井伊家」の屋敷が占めていた。
その頭文字を一字づつ取って「紀尾井町」とした。
「江戸名所図会」には、尾張家屋敷(現、上智大付近)と井伊家屋敷(現ニューオータニ)の間の道に「紀尾井坂」という文字も見えるという。
そして現、内堀内の北側、北の丸公園の田安門(田安家:一ツ橋家、清水家と共に徳川御三卿のひとつで、実際の領地は持っていないが徳川家の一門として御三家に次ぐ10万石の格式を与えられ、江戸城北の丸・田安門近くに大きな屋敷を構えていた。)あたりは、かっては急坂のあった丘陵地であり、「九段坂上」とも称していた。
幕府がこの坂道に九段の石段を作り、九段屋敷と言う御用屋敷を造ったためこの名が付いたともいわれる。
江戸古書には「 町屋に並んでいる賑やかな中坂に比べて、九段坂は崖っぷちの細い坂道だった 」と書かれていて、坂の上には当時は幕府の御用地も在り、この空き地は火除けの為の地だったのではないかともいわれている。
この坂は今よりずっと急な坂で、大八車などは容易に上ることが出来ず、車の後押しを専門とし生業にする押屋という者もいて、一回の押賃は一銭だったともいう。
坂の上からは神田、日本橋、浅草、本所はもちろん、安房、上総の連山まで眺められ、そして月の名所としても有名であったといわれる。
靖国神社・・、
この坂上に「靖国神社」が出来たのは、明治2年(1869)に明治天皇の勅願と大村益次郎の献策によりによって建てられたという。
当初は戊辰戦争で斃れた人達を祀るために創建され、初めは「東京招魂社」と呼ばれたが、明治12年に靖国神社と改称されて今日に至っている。
過去には嘉永6年(1853)、アメリカの提督ペリーが軍艦4隻を引き連れ、浦賀に来航した時からの国内の戦乱に殉じた人達を合わせ祀った。 又、明治10年の西南戦争後は、外国との戦争で日本の国を守るために斃れた人達を祀ることになった神社でもある。
因みに、幕末の志士・吉田松陰、坂本龍馬、高杉晋作、中岡慎太郎、武市半平太、橋本左内、大村益次郎などそうそうたるメンバーも「維新殉難者」として合祀されている。
九段坂の広大な参道の右には靖国神社の大鳥居、そして大村益次郎の像が立っている。
昨今、神社の存在意義、神霊の分社・分祀、要人の参拝の可否などが内外で問題視されているよである。
それらの事に関してここでは敢えて申さぬが、靖国神社の事柄に関して、多々問題になり、拗れ(こじれる)そうになった場合は創建当時の原点に戻る事も必要であろう。
何事においても「理由付け」すれば、事の真偽や重大さを見落としがちであることも確かである。
『靖国神社御祭神戦役・事変別柱数』 (平成16年現在)
事変内容 柱数 事変内容 柱数
明治維新 7,751 西南戦争 6,971
日清戦争 13,619 台湾征討 1,130
北清事変 1,256 日露戦争 88,429
第一次世界大戦 4,850 済南事変 185
満洲事変 17,176 支那事変 191,250
大東亜戦争 2,133,915
合計 2,466,532柱数
『九 段 の 母』 唄 田端義夫(昭和9年)
上野駅から 九段まで
かってしらない じれったさ
杖をたよりに 一日がかり
せがれきたぞや 会いにきた
空をつくよな 大鳥居
こんな立派な おやしろに
神とまつられ もったいなさよ
母は泣けます うれしさに
次回は、神奈川県・「川崎」
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