2013年9月22日日曜日

新・日本紀行(123)館山 「房総・安房神社・Ⅱ」







 新・日本紀行(123)館山 「房総・安房神社・Ⅱ」 





その起因とされる話は、四国・阿波に飛びます。

阿波の国には、日本の国が拓かれる当初からの「古社」である「忌部神社」(徳島市内、忌部族すなわち徳島県民の祖神を祭り古来阿波の国の総鎮守の神社)と「大麻比古神社」((おおあさひこじんじゃ:徳島県鳴門市・阿波国一宮)が鎮座している。
共に古代の忌部氏に縁り(ゆかり)の神社である。

神社古書には、「 当社は麻植神と称し、あるいは天日鷲神(あめのひわしのかみ:阿波忌部氏の祖)と号す 」と注記してある。 
忌部というのは「斎部」ともいわれ、大和朝廷で中臣(なかとみ:藤原氏)氏と並んで祭祀をつかさどった一族であり、平安初期には忌部を斎部とも改称している。
つまり、斎部(いみべ、いんべ)は神祇祭祀に携わる部民のことで、それを統率したのが忌部氏であった。



平安初期の文献に「古語拾遺」(こごしゅうい)というのがある。 
官僚・斎部広成が807年に編纂したもので、忌部氏が伝承する記紀(古事記、日本書紀)神話と祭祀の問題点を示した文書である。 

内容は、天地開闢(てんちかいびゃく:記紀内容)から奈良期・天平年間(729年~749年)までが記されていて、古事記や日本書紀などの史書には見られない斎部氏(忌部氏)に伝わる伝承も取り入れられているという。 

元々、斎部氏は朝廷の祭祀を司る氏族であった。 
だが「大化の改新」以降、同様に祭祀を司っていたのは中臣氏(藤原姓を与えられたが、後に別流は中臣姓に戻された)であり、政治的な力を持ち、祭祀についても役職は中臣氏だけが就いているという状況だった。
この書は斎部氏の正統性を主張し、有利な立場に立つために著されたものであるともいわれるが。 
以降、斎部氏は伊勢神宮の奉幣使の役職を司ることになる。 
奉幣使(ほうへうし)とは、勅命、つまり天皇からの進物または礼物を山陵・神宮・神社に奉献する使者のこと。



忌部氏の祖は、天岩戸で活躍した天太玉命(アマノフトダマノミコト)であるとされる。 
今日の神道で行われるさまざまな神事を統括し、そこで使われる一切の神祭用具を管理する神、というのが天太玉命(神)の本来の役割であるという。

記紀(古事記、日本書紀)では、天岩戸に隠れてしまった天照大神(アマテラス)を誘い出すため、天太玉神は洞窟の前で卜占(ぼくせん、占いのこと)をし、太玉串を作って捧げ持ち、祝詞(のりと)を奉じて、大神の出現を祈ったとされる。 
玉串とは、榊の枝に紙垂をつけた神に捧げる供物のひとつで、太玉串は「立派な玉串」といった意味であり、古代には紙でなく「布」を使っていたらしい。

この天太玉命には五つ神が従っていたとされる。 
そのうちの一神が天日鷲命(アメノヒワシノミコト・天太玉命の弟ともされ、阿波国を開拓した神)であり、その子孫が阿波・忌部氏であるとされる。 
氏は「布」の元となる穀や木綿・麻布などを植えて作り、朝廷に貢上して祭事に供された。
阿波の国のことを「麻植郡」とも称していて、現今でも、徳島県の地域には「麻植郡」の名が残っている。 
その内の阿波忌部氏の一派は後に東国に渡り、麻や穀などを植え、当地に「安房社」を建てた。 
その地は、やがて安房郡となり、後にに安房国となったと伝えられる。

因みに、戦国の覇者・織田信長は、古代忌部氏の子孫であるともいう。 
祖先は福井県丹生郡越前町織田にあって劔神社の神官である関係から、越前忌部(斎部)氏の支流であり古代豪族の忌部氏で、後に平氏を称したとされている。


次回、安房国一宮・Ⅱ



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