google.com, pub-6886053222946157, DIRECT, f08c47fec0942fa0 日本各地の美しい風土を巡ります。: 新・日本紀行(36)大間 「本州最北端」

2012年6月30日土曜日

新・日本紀行(36)大間 「本州最北端」

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新・日本紀行(36)大間 「本州最北端」





本州最北端「大間崎」



「大間」に到った・・!、本州最北端の地である

町並みには、『祝、泉 浩君 アテネオリンピック柔道・銀メダル』と横断幕が目に入った。先般、日本勢が大活躍した、そのオリンピックが終わったばかりであり、因みに日本勢の獲得したメダルは金・16、銀・9、銅・12の成績で、世界ランク第5位、メダル数は史上最高だとか。 

「泉 浩」氏はこの大間の出身である。 
父親は大間では有名な、あのマグロの1本釣りの猟師であることはニュース等で報じられたが、今年の大間のマグロ漁(1本釣り)は大漁だという。 
聞くところによると、マグロ漁は1月半ば頃までで、この猟期が終わる。
その後は、20t足らずの船で遥か西南の地、長崎の五島列島まで三日三晩かけてイカ漁に出かけるらしい。



御存知、大間は本州最北端に地・岬である・・!!

大間町」は、本州最北端に位置し、人口 7000人の漁業を主産業とする町である。
だが明治以前は、良港にも恵まれていた南の隣村「奥戸」の方が大間より繁栄していたともいう。 

もともと、大間と奥戸は別々の二つの村であり、両村が合併し大奥村となった時代には、奥戸に役場が置かれた時期もあった。 
しかし、大間は水産業で徐々に発展し、明治維新前後の斗南藩士(旧会津藩士)の定住などで大間が活況を呈し、農業中心の奥戸は相対的に地盤沈下することになる。 
役場も大間に移り、昭和17年11月3日の町制施行で大間町が誕生し、時勢は大間中心となった。

大間の赤猫、奥戸の《でんで》・・、」という言葉があるらしい。

これは両地区の気質をよく現しているという。 
つまり、大間は奥戸から見て、「赤猫」のように気性の激しい漁師気質であり、一方、奥戸は農耕型であり、土とともに生きる農民気質で、人々はおっとり、のんびり型が多く、それは自然への依存の影響だろうと。

「でんで」というのは「代々」のことであり、伝統と格式を重んじたのが奥戸だったといわれる。 
やはり、これも時代の流れであり、歴史の相違かもしれない。



大間から津軽海峡を挟んで北海道・亀田半島の汐首岬までわずか17kmしか離れておらず、晴れた日には、間近に北海道を見渡すことができる。 
三方を海に囲まれているこの地沖合いは、日本海の対馬海流と太平洋の黒潮が出会う絶好の漁場でもある。 
そして、明治時代から引き継がれてきた伝統漁法の「マグロの一本釣り」は余りにも有名である。 
漁師が腕一本で数百キロのマグロに挑む昔ながらの漁法は、昨今、TVなどでも紹介されてるが、先刻も某TV局で、一年に何と60本ものマグロを水揚げする漁師が放映されていた。


大間で獲れた近海もののマグロは鮮度が高く、味が良いことから市場では超一級品の名を受け、高値で取引されるほどの活況を見せていた。
だが、昭和50年前後を境に魚影が薄くなり、つい近年まで大間沖からの水揚げは殆どなかったという。 

その原因については、海流や水温の変化など諸説がいわれているが、 漁師の一部には青函トンネル工事が原因ではないのかと指摘する者もいた。
だが、県の調査では「影響はない」とされた。
最近になっての好漁になってきたらしいが、併せて、マグロの生態系については、まだまだ不明な点も多いという。


魚影が消えてから凡そ10年ぶりに、「マグロが来た・・!」と浜が活気づいたのが平成5年(1993)のことであった。
平成6年には440キログラムの超大物が捕れた記録もある。
以来、毎年100~300キログラムクラスのマグロが水揚げされるようになり、平成7年は、100キロを超える大物が200本も水揚げされたこともあり、以降順調に水揚げされているという。


大間のマグロは、大間崎沖1~3キロメートルで釣れる近海物だけに、東京築地市場でも値が高く、外国産の冷凍マグロが1キロ当たり7000円前後なのに対し、軽く数万円の値がつき、高値のため大物はほとんど東京方面の大市場(築地ほか)へ直送され、「地元でおいしいマグロが捕れるのに、なかなか口に入らない」と地元民の嘆く声もあるという。


こうした命懸けにも近い大間のマグロ漁に生きる漁師を題材にして書かれた、作家・吉村昭氏の小説「魚影の群れ」が映画化された。
昭和58年、主演の故夏目雅子やマグロ漁師に扮した緒形拳ら全スタッフが当町に泊り込んで話題となった。

又、2007年の正月TVに放送された新春スペシャルドラマ『マグロ』(テレビ朝日系)があった。 
ドラマは、マグロの一本釣りに人生を懸けた漁師・竜男(渡哲也)が主人公で、撮影中、渡らが大間の津軽海峡で約220キロもある大物マグロを実際に釣り上げ、成功したというのは有名な話である。


数年前、お上さんと車で北海道旅行の途中、函館へ渡る前、大間港の岸壁の民宿に宿を取ったことがある。
折しも、偶々(たまたま)マグロの水揚げに遭遇し見物する事ができた。 
接岸された漁船は、岸からクレーンでマグロを吊り上げるところであったが、聞くところ体長2.5mくらいで200kg以上はらくに有ったいう。 
これからトラック便で東京・築地まで直行するとのこと・・。
大間から八戸へ出て高速道を一気に走るらしい。
因みに、「値段は数百万は付くだろう」と、地元猟師が自慢げに話していた。


ところで、大間から真近に見える北海道からは、TVやラジオの放送が地元青森の放送より良く受信出来る。 大間の人々は買い物等をするにも青森に行くより函館に行く方が普通だという。 
青森までは車でも3時間以上は掛かるし、大間町民にとっては「函館」は海を隔ててはいるが、隣町のような身近な都市なのである。



大間の岬、「大間崎」は、コンクリートやレンガ積みされサッパリ綺麗に整備された岬である。 
岬の先端部には「本州最北端の地」と掘られた銘碑や、巨大なマグロを模ったモニュメントが威容を誇っている。
青海の向こうには「弁天島」と、そう遠くない距離に、これから訪れる大地、蝦夷地・北海道が鮮明に見えている。



北の猟場』 唄・北島三朗
いのち温めて 酔いながら
酒をまわし飲む
明日の稼ぎを 夢にみて
腹にさらし巻く
海の男にゃヨ 凍る波しぶき
北の漁場はヨ 男の仕事場サ


次回から、今まで巡ってきたコースのうち、主要観光地を特に『温泉と観光』として紹介します。




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