2015年8月30日日曜日

和歌山県・和歌山; 「紀ノ川」






 和歌山県・和歌山; 「紀ノ川」 





「紀ノ川」の河口に架かる紀ノ川大橋(国道28号線)



紀の国の母なる川・「紀ノ川」

和歌山は神話の舞台として数多く登場することは先に述べた。
その理由には、大和盆地(奈良)に発生した古代の政権(大和朝廷)が全国を統一し、その後、国内外にまで進出する過程で大量の兵員・物資を輸送する際に大和盆地の南に位置する「紀ノ川」の水運を利用したといわれる。 
見知らぬ国から国へ、異国からの文化や不思議な話など、古代の和歌山は日本の窓口、世界への窓口の中心だったともされている。


和歌山城を少し西へ行くと、紀の国の名河「紀ノ川」が広大に、 滔滔(とうとう:水の盛んに流れるさま)と流れる。
水源は奈良県と三重県の県境をなす台高山脈の南部、大台ケ原にあり、標高1500m から1700mほどの高山地帯で吉野熊野国立公園に属している。 
この地域は、わが国屈指の多雨地帯で一日の降水量300mmを数えることもあり、この多量の水は大自然を育み、文化の交流を支え、現実に日本有数の淡水魚群を生み出しながら和歌山湾に流れ込んでいる。


有吉佐和子の大河小説・『紀ノ川』

和歌山出身の代表的作家、有吉佐和子の作に『紀ノ川』がある。
この物語は「家と女」という、日本の伝統の流れに身を任せる母、激しく抵抗する娘、そして新世代の孫娘。 この三代の血の流れを紀ノ川の流れに喩えて重ね合わせ、その情景の中で日本の女の物語が静かに編みこまれている。

小説『紀ノ川』は、花(はな)と呼ばれる主人公が、紀ノ川上流の九度山(紀の川中流域九度山町)から下流の六十谷(むそた:和歌山市北部の紀ノ川沿い・六十谷橋)に嫁ぐ朝の情景から始まる。九度山にある慈尊院で、花嫁と祖母は故郷の川をしみじみ眺めながら、その美しさを讃えている。物語はその後、花が明治の嫁として伝統に生きる姿、その母に反発する娘、花の思いを受けとめる外国育ちの孫娘などが絡む。 
和歌山の激しく、華やかな時の流れを、紀ノ川と代々連なる女性の営みに喩えたのかも知れない・・?。

又、小説『紀ノ川』は、川筋の風土とか人情が巧みに織り込まれている。
有吉佐和子は、和歌山には幼少の時分と疎開時と合わせても6~7年くらいしか居なかったらしい。しかし、地名の使い方、土地にまつわる話や言葉使いは実にうまいと、地元の人も教えられるほど、文句の付けようがないと言いわれた。
小説「紀ノ川」は、昭和34年(1959年)に28才の若さで書いた出世作で、作家・有吉氏は惜しまれながら53歳の若さで急死している。
 


和歌山県の最北部、既に高野山の北側の登り口でもあり、大阪との府県境にもなっている地域に「橋本町」が在る。 ここは「紀ノ川」の中流域といえるところで、川は南北に分けて流れる地帯でもある。
この地は日本女性として初のオリンピック金メダリストに輝いた人物の出生地であり、紀ノ川は天然プールとしての練習場でもあったという。


『 がんばれ、がんばれ、・・・、前畑がんばれ!前畑がんばれ!・・・あと5m、あと5m、あと5m、・・・、勝った、勝った、勝った・・・前畑、勝った!勝った、勝った、前畑勝った!!・・ 』

その時、NHK・河西三省アナウンサーがデッドヒートの模様を、何度も何度も連呼した実況中継が日本中を沸かせた。
なんと、このとき「頑張れ」を、38回も連呼放送したらしい。 
当時は、今の時代とは異なり、音声だけの「ラジオ」での実況だから、聞いている人達は、テレビのように、戦いの様子を眼で見ている訳ではない。
何か、よく状況は分からないが、ただ「頑張れ、頑張れ」とだけ・連呼する声を聞いて、兎に角、前畑が大したことをやってんだと想像したもんである。
そして、勝負が決まった後に、「勝った」 を15回も言ったそうである。

第11回ベルリン・オリンピック(1936年8月11日)での競泳女子200m平泳の前畑秀子の優勝の瞬間であった。  時代は、日本が国際連盟を脱退し、やがてドイツ・イタリアと手を結び第二次世界大戦へ突入する前夜でもあった。
前畑秀子の金メダルには、そのまま日本という国の勝敗がかかっているような勢いであったともいう。
前畑は、ベルリンオリンピックの想像を絶するプレッシャーの中で、自分の力のすべてを出しきり、プレッシャーをバネにするという強い精神力が、金メダルをもたらしたのだろう。

日本女子初の金メダリスト・前畑秀子、その後、日本女子水泳競技に金メダルをもたらすのは、昭和27年のヘルシンキオリンピックの青木まゆみ選手で、実に36年間待つことになる。
1990年、日本女子スポーツ界より初めて文化功労者に選ばれた。



次回、 和歌山 「紀ノ川と前畑選手」 







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