2015年4月9日木曜日

新・日本紀行(36)船越 「民話・よねずもち」






 新・日本紀行(36)船越 「民話・よねずもち」 





奥志摩・五ヶ所湾MAP



 http://img.4travel.jp/img/tcs/t/album/500/10/86/22/500_10862287.jpg?1398990668







英虞湾の北西の突端部に浜島温泉があった。 
志摩地方には貴重な天然温泉として知られる。 町営の立寄り湯も有るようで向かうことにした。 

英虞湾の深い入り江になっている、静寂な海面を眺めながら温泉場に着いた。 
確かに立寄り湯はあったが、やはり時間的に早かったようである。

浜島温泉は、海を一望できるロケーションの良さから夕日の美しさがポイントの温泉旅館が建ち並び、趣向を凝らした露天風呂を有する宿も多いという。 
泉質は、ナトリウム-塩化物温泉で、少し茶褐色に色づいた半透明の湯であるとか。 
源泉温度、40.6℃ 泉質、ナトリウム塩化物、 温泉効能は疲労回復、冷え性、神経痛、痛風、リューマチ、肩こり、五十肩、腰痛、関節炎、打ち身等々。



浜島町より国道260で田曽浦から五カ所湾沿いを行く。
神津佐(こんさ)から船越、伊勢路(地名)、相賀浦と時をりリアス海岸特有の五カ所湾の入り江を眺めながら上下に、左右に屈曲している160号線を走る。 

所謂、海岸の山岳ハイウェイである、トンネルも多い。
だが新しいトンネルも完成しており、このあたりの道路は改良・拡幅されバイパスも出来て走りやすい。

五カ所湾の中央部は「船越」といい、一見、島のように見えるが中津浜浦という半島が、喉仏のように岬へ延びている。

この地方に、素朴な『よねずもち』という民話が伝わっているという。 
気に入ったので載せてみた。


民話・『よねずもち

『 昔日、こちらでは6月の今時分は、田植えの最盛期だったね。今のように田植機はなく、手作業は大変腰が痛かったとの思い出がある。でも楽し気に残っているから不思議ですね。朝星夕星で働いたそんな苦労を癒すために、私たちの地区には「農上がり」と称した小宴を催す習わしがありました。その時のご馳走に「よねずもち」が作られていたのですが、祖母がこしらえた「よねずもち」は一段と美味かったですね。研いだ只米を晒した後、石臼で米の粉に挽くのですが、石臼への米の入れ具合で粉が粗くなったりして、挽き臼の操作も難しいものだったみたいですね。祖母が挽く手の上から廻すのを手伝った子供の頃が浮かんできますが、今思うと大変な作業だったのでしょうね。昼間の仕事を終え夕飯(ゆうげ)の後から始める作業ですから重労働で、居眠りをする母親をよく見かけたものですね。
餅米でなく粳米(うるごめ・うるち米のこと)の粉ですから、まだ石臼で挽けるのでしょうが、何せ根気と腕力と時間とを要した重労働でしたからね。挽き終える頃は、明日の暦になっていたそうですよ。作り方は簡単で、一晩かかって挽き終えた米の粉を水で練り上げ、団子状に丸めて蒸籠で蒸し上げる。程良く蒸し上がった早朝5時頃に男手が起きてきて、臼と杵で丁寧に搗き上げる。餡ころ餅にして食べるのですが、餅米の餅と違って只米の餅はあっさりとしているから、美味しい物としての記憶が残っていますね。今はもう何処の家庭も滅多に作ることはありませんが、作り方を覚えている今のうちに、子供に教えて置きなさいと家内に言ってはいるのですが。農家の嫁が徹夜して、一晩中掛かって寝ずに仕上げた農上がりのご馳走で、「よねずもち」の語源は、昔の農家の嫁の悲哀を象徴するかのようですね 』

夜寝ず餅』のお話でした。 



次回は、古代伝承の地「紀伊長島






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